ボーイングB737MAXとは
何かと話題のボーイング737MAX、経済や貿易戦争まで巻き込んだこの顛末を整理する。顛末ありきで考えれば日本の対応に納得いかない点が出てきてしまう。
アメリカの航空機大手「ボーイング」は2度の墜落事故を起こした最新鋭機「737MAX」の生産を一時停止すると発表しました。
ボーイングの最新鋭機「737MAX」は去年10月以降、インドネシアとエチオピアで相次いで墜落しました。機体の失速を防ぐシステムの誤作動が原因とみられ、その後、各国で運航停止になり、今年4月からは機体の減産に踏み切っていました。ボーイングは16日、運航再開に必要な当局からの許可が出る見通しが立たないこともあり、737MAXの生産を来月から一時的に停止すると明らかにしました。現時点では従業員の解雇などは予定していないということです。
ボーイングB737MAX 事故
B737MAXインドネシア事故
2018年10月29日、ライオン航空のボーイング737MAX8型機はインドネシア首都ジャカルタを離陸直後に墜落。
189人が死亡した。コクピットのソフトウエアにおける設計上のリスクを把握していなかったことが墜落の一因になった。
報告書は、機体の失速を防ぐためのシステム「MCAS」の設計を指摘。これが自動的に機首を押し下げ、パイロットが機体をコントロールするのが困難になったとした上で、「MCASの設計と認証の過程で、機体が制御できなくなる可能性を十分考慮していなかった」とした。
ボーイングはMCASの再設計に取り組んでいるが、米連邦航空局(FAA)からの認証は得られていない。
報告書はまた、乗員のコミュニケーションや手動操作における「不備」も墜落の要因になったとした。
インドネシアの航空事故調査官は会見で、事故は複雑なイベントの連鎖によって引き起こされたと説明。「われわれの認識では9つのイベントがこの事故につながった。このうち1つでも起きていなければ事故に至らなかった可能性がある」と語った。
B737MAXエチオピア事故
2019年3月10日、エチオピア航空のボーイング737MAX8型機が、離陸後間もなく墜落し、乗客乗員157人全員が死亡した。
パイロットから離陸直後に問題が報告され、空港に引き返す許可も得ていたことを明らかにした。また、事故機はその前のヨハネスブルクからのフライトでは機械的な問題はなかったようだと付け加えた。ボーイングは事故調査を支援するため技術チームの派遣を準備していると説明した。この事故機は、昨年11月にエチオピア航空に新しく納入されていた。
今回の事故を受け、737シリーズの最新機種であるMAXの安全性を巡る懸念が強まりそうだ。昨年10月29日には、インドネシアの格安航空会社ライオンエア運航の同型機がジャワ海に墜落し、乗客乗員189人が死亡した。この事故の初期調査では、機器の不具合が原因でパイロットが機体を制御できなくなったことが示唆されている。
何れも離陸直後の墜落であり計346名の命が奪われた事は間違いない。
ボーイングB737MAXを巡る運航停止と米中貿易戦争
中国民用航空局(CAAC)は11日、国内航空会社に対し、旅客機「ボーイング737MAX」の商業運航を現地時間午後6時(1000GMT、日本時間午後7時)までに停止するよう命じたと発表した。当局が中国版ツイッター「微博(ウェイボ)」で明らかにしたところによると、中国の航空会社が運航している737MAXは96機に上る。
中国誌「財経」は、737MAXの運航を予定していたフライトの多くは、代わりに737─800が使用されると報じた。
ある米当局者はロイターに対し匿名で、中国がどのような情報に基づき対応しているか、米国は把握していないと述べた。米国が同様に737MAXの運航を停止する計画はなく、同型機の米国での安全性は問題はないとしている。エチオピア航空機の墜落については、事故の原因に関する情報が十分でないと指摘した。
ここがポイントですね!
通常は製造した国家が各国に対し運航検討の支持(依頼)を行うのが通例でありますが、今回中国は製造国であるアメリカの支持無く独自に運航を停止した。 米中間のもめ事を考えてもマウントを取るのにちょうど良い事案であるわけです。アメリカはボーイング社の収益にかかわる事なので簡単に運航見直しの支持はしていません。中国は安全だけを考えられるのに対しアメリカは国家の収益性を考慮しなければならない事態であったことに成ります。トランプ大統領の思考であればなおさら。
ボーイング社の株価は下がり、賠償数百~数千憶円の金額に成る事は間違いありません!
問題は日本の対応です。
B737MAX日本の対応は遅い何故なのか?
今回のB737MAXの事案は中国を筆頭に世界中が運航停止をしたわけですが、日本領空内の運航停止はかなり出遅れました。当然アメリカの収益にかかわる事なので顔色を窺ったんでしょう。
アメリカの運航停止指示の後に日本も領空内の運航停止と成りました。お粗末・・・
日本のレガシーキャリアであるANA/JALは実は使用していません。ANAは737MAXとA320NEOを天秤にかけてA320NEOを選択しています。安全性の考慮か分かりませんが運も含めて信頼のできる会社である事は間違いありません。JALも運用は有りませんが737を保有している為737MAXへの改造が可能であるので計画は進んだ可能性は有ります。当然計画変更でしょう。 問題はLCCですね!
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ここで分かる通り民間は常に人命最優先ですが、政治の世界は違うようですね。日本にいながら自分の命は自分で守りましょう。
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